観音の浄土へ行ってきました@補陀洛山海住山寺 IN 南山城

海住山寺(境内からの眺望)

毎年10月の最終土曜日から10日間だけ開扉される国宝五重塔を見に、京都市木津川市にあります海住山寺へ行ってきました。

海住山寺は、恭仁宮や平城京、間近に春日の山並み、遠くには金剛山・葛木山を見渡せる山の中腹にあります。
寺伝によると、聖武天皇の勅願により天平七年(753)に良弁僧正が十一面観音を本尊として建立し、藤原山観音寺と名付けたのに始まります。
保延3年(1137)に焼失しましたが、承元2年(1208)、笠置寺の解脱上人貞慶がが観音の浄土である補陀洛山海住山寺と名付けて再興しました。


山道をひたすら登るんです


海住山寺は山の中腹に建つお寺ですので、山道をひたすら登らなくてはなりません。
舗装はされていますが、乗用車がようやく通れるほどの狭い道です。そんな山道を車で登っていく自信がないので、ふもとで車を止めて歩いて登っていくことにしました。

が、歩いても歩いても着かないんです!!
息は切れるし、足はガクガクだし、日ごろの運動不足を後悔

海住山寺
ようやく海住山寺の石標が見えてきました。

「ヤッタ~!」

と、ホットしたのもつかの間、カーブを曲がると、「海住山寺まであと、800m」という看板が

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しかし前方に目をやると門が見えてきました。

「な~んだ、800mって驚かさないでよぉ!」 

などと思ったのは大間違い。

この門から、まだまだまだ歩きましたよ

帰り道、ここからの眺めは素晴らしかったです。しかし、登って行くときは振り返って景色を眺めるなどという余裕は全くなかったんですよね。

途中、何台かのタクシーが通っていきました
「なるほど、こういう手もあったか 」 と感心したりもしましたが、
「自分の足でたどり着くことに意義があるんだ。」 と自分に言い聞かせました

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この階段を登ると、そこは間違いなく海住山寺の境内なのですが、

この急な階段を登る気になれず、遠回りであっても山道を進むことにしました。

しばらくすると、駐車場が見えてきたので、今度こそ、もう一息で海住山寺に到着です。

しかし、これほどの山の上でありながら、なぜ 「海」 の字を付けた寺名なのか不思議に思いながら歩きづづけました。


国宝・五重塔


海住山寺五重塔

境内に入ると、五重塔が目に飛び込んできます。まわりの木々と溶け込んでいて、なんかいいなぁ。
海住山寺五重塔

海住山寺の五重塔は17.7m。屋外に立つ五重塔としては我が国で最も小さい室生寺の五重塔よりも1m高い五重塔で、裳階付きです。裳階付きの文化財では、他に法隆寺五重塔や、薬師寺三重塔があります。
また、法隆寺五重塔、室生寺五重塔、醍醐寺五重塔に次いで古いものです。

海住山寺の五重塔は、心柱が初重の天井までとなっているのが特徴です。また、裳階には壁を造らず開放しており、四天柱の間には東西南北の4面とも両開扉と付けています。

初重床下に空間があるのも特徴の一つです。

塔に納めている仏舎利には、解脱上人が後鳥羽上皇より拝領の東寺唐招の仏舎利二粒に、慈心上人が5粒を加えて安置しています。


二体の十一面観音


海住山寺の本尊は十一面観音で、本堂内陣に安置されています。像高167.9㎝の木造で、宝髻から蓮華座まで榧(かや)材の一木造りの重文です。

もう一体は、奈良国立博物館に寄託していますが、五重塔の開扉に合わせて里帰りして来ます。
こちらの十一面観音も一木造りの重文ですが、檀像風の造りとなっており像高は45.5㎝と小振りです。

動きを感じさえる衣文の線、気品のあるお顔が印象的です。
海住山寺の十一面観音2体

飛鳥園さんで購入した書籍「南山城の古寺」より




飯縄(いずな)大権現


海住山寺本堂

本堂


本堂内陣の十一面観音が安置されている厨子の隣に、近世の作ですが高尾山ご本尊・飯縄(いずな)大権現がいらっしゃいました。白い狐に乗っていましたが、自分は初めて見る仏さまです。どうして海住山寺に安置されているんだろうか?

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ところで、本堂前にいたこの子。
なんだか目の前に壁があって、行く手が阻まれているって感じがします。



色鮮やかな四天王像


十一面観音の他にも里帰りしている方たちがいらっしゃいます(こちらも奈良国立博物館に寄託)。
いずれの像高も40㎝に満たない小さな四天王像です。小さいのですが、とても精巧に作られています。
持国・増長・広目・多聞天の順に、緑・赤・白・青の身色に塗り分けられてた色彩も残っており保存状態がとても良いです。
海住山寺四天王像

四天王立像 なら仏像館の図録より


本堂内のガラスケースに一列に並べられての展示でしたが、できることならば、もともと安置されていたであろう、五重塔の初層に安置された仏舎利の周囲に配して展示してほしかったなぁ。。。


文殊堂


海住山寺文殊堂

文殊堂は修理中のようでしたが公開されておりました。しかし、もちろん文書菩薩はいらっしゃいましたが、文殊堂というのに正面中央には前鬼・後鬼を従えた役行者が安置されていたのはなぜでしょうか


境内からの眺望


本堂裏の坂道を登っていくと高台に出ます。
ここからの眺めを見ていて、ふと思いました。

眼下の木津川の流れる平野と彼方の山並みを海に見立てれてば、この寺は補陀洛山に見えなくもない。(補陀洛山とは、南海にあるという観音の浄土の名です)

だから、するにあるで、海住山寺というのではかないか、と

これで、山道を登りながら不思議に思っていた、「これほどの山の上でありながら、なぜ「海」の字を付けた寺名なのか」という点が、こころなしかスッキリした気分です。
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境内からの眺望

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境内からの眺望 (ズームで)

山間の白く見える部分が木津川です。


社寺データ

住所:〒619-1106 京都府木津川市加茂町例幣海住山20
電話:0774-76-2256
拝観時間:午前9時~午後16時30分
拝観料:
 本堂(本尊重文十一面観音菩薩) 400円(入山料を含む)
 ※ハイキング・写真撮影・散策等の方は入山料100円
アクセス:
JR加茂駅より奈良交通バス「和束小杉行き」「岡崎」下車 徒歩40分
車で国道163号線から2km
ホームページ:http://www.kaijyusenji.jp/






この日訪れた南山城のお寺

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